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僕の大型鰐

第1章 出会い


ハーロート・シャルラ。通称、緋色のシャル。懸賞金は5億ベリー。海兵なら知らぬ者はいない大海賊。海賊王の船に乗っていたという説や、白ひげと親密な関係にあるという説があるが詳細は不明。ここ数年の生死すら不明で、巷では死んだとか、今は水面下で力を蓄えていていつかとんでもない事をしでかすだとか、自分勝手な憶測が広げられている。
一番新しい手配書は10年前のものだ。返り血を浴びた長い剣を右手で掲げ、左手は口元を拭っている。青く澄んだ瞳は爛々と輝き、戦闘に興奮しているように見える。肩に届かない程度の長さの銀髪は風になびいて流れている。背景は凄まじく、爆煙や血で全体的に赤っぽい。しかしシャルラは剣を除けば1滴も返り血を浴びず、また本人も全く怪我をしていなかった。手配書の彼の姿は、神々しいと言っても過言ではないほど美しかった。


ここはグランドライン、サンディ島。
アラバスタ王国は今日も平和である。というのも、この砂漠に君臨する七武海の一角、サー・クロコダイルの働きのおかげだ。海賊が町を荒らせば駆けつけて颯爽と片付け、去っていく。それが猫を被った行動だろうが民衆は彼を守り神や砂漠の王と讃え敬う。
彼の説明についてはこの際省くとしよう。

クロコダイルの経営するカジノに、客として一人の青年が来ていた。
青年は、スロットにダーツにポーカーにマネー・ホイールと、ゲームと名のつくもの全てに勝っていた。勝ちまくっていた。稼いだ金は既にとんでもない額だが、青年がやめる気配は一切ない。青年の周りには人垣まで出来ていて、ディーラーは冷や汗を流していた。あまりの勝ち方にイカサマかと疑う声も出たが、青年はそんな苦情も全部無視して勝ち続けた。


突然、カジノの奥がざわついた。青年も顔を上げる。
「クロコダイルさん!」
「クロコダイルさん!!」
人々の歓声を聞いた青年はオーナー直々にお出ましか、と口角を上げた。
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