• テキストサイズ

【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《4》

第3章 ボクらの記憶




赤司side


「名前さんが、戻ってきました」



黒子からそうメールが届いたのは何十分か前のことだった

名前さんの話は、何回か聞いたことがある。帝光の元監督で、誠凛のマネージャーで、オレの恋人で、オレ達の仲間で、何回もオレ達の前から消えていると

どんな人か、写真も少なく情報も少ない彼女に会うのは興味本位と言ってもウソではない

だがそれよりもオレの中のなくなった記憶を取り戻して、彼女を仲間に迎え入れたい。というのが理由だった

その時準備等で別の場所に向かっていたものの彼女がまた今度いつ消えるか分からないという理由で目的地を変え、メールに書いてあった場所に辿り着くと、そこは彼女が何年か前に入院したと言う、彼女の母親が働いている病院であった

部屋番号を知っているために受付に手続き等をとってからできるだけ急いで彼女部屋であるの個室へ着くと、扉を開ける手が少し強張った




「(きっと…大丈夫だ)」



意を決して扉を開けると、部屋の奥にあるベッドがまず目に入った。そのベッドにゆっくり足を進め、ようやく近くに到着した

オレンジの髪がまとめられ、規則的に呼吸して寝ている彼女の姿が目に入り、幻なのではないかと頬をそっとなぞってみた

その瞬間、オレに向かって風が吹いてきて、脳内を揺すった。そして、彼女が誰なのかを、理解した




「…ああ、名前、だ」



思い出し、久々に会えた彼女のことを起こさないように、優しく抱き締めた

目からは絶え間なく涙が流れており、その水は抱き締めている彼女の頬にすべり落ちた


彼女が起きる気配は、全く感じられなかった






/ 146ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp