第1章 プロローグ
出会い。
それは、始まり、そして終わりを意味する言葉である。
出会いは必ずしも誰かに訪れるもので、人に成長を与える。
出会いと別れ。
それは人に喜び、悲しみを与える。人や物に例えると、生と死。
あたしと『彼』の出会いは、幾つもの喜び、幾つもの悲しみを与えた。
0と1との可能性で出会えたことは、正に奇跡。
これから始まる物語は、現実世界のあたしと、仮想世界の『彼』との話。
仮想である彼は、二次元の壁を超え、現実世界にやってきた、あたしの最高のボーカロイド。
「マスター、歌わせて下さい!!」