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【イケメン戦国】私と猫と

第5章 歌声 (裏:政宗、家康、信長)


(素敵な声…?)
「まさか…聞いて、たの?」

全員がにこり(一部にやり)とうなずくと、湖は首から耳から真っ赤に染まって後退しはじめた

「っや…」
(恥ずかしいっ!!)

トンと、背中に何かが当たるとふわりと抱き上げられ
信長の顔が間近に見えた

「っ…信長さま?!」
(まさか、…)

「宴を用意する。そこで存分に歌え、湖」

にやりと笑う顔は意地悪そうに見える

「っ、…っ嫌です!」
「こらっ、湖。断るなど失礼だぞ」
「嫌なものは、嫌ですっ!」

信長は抱き上げたまま進むと、秀吉がすぐ後ろにつき湖を叱咤する

「そうか、宴は嫌か…では、褥にするか?」
「っ?!っ、もっと嫌です!!」
「では、宴だな」
「っ…、、」

信長に押し切られたまま、いつの間にか武将たちと食事の席につかされていた
目の前には、政宗が作ったおいしそうな食事が並ぶ

「わぁっ、政宗、今日もおいしそうっ!」
「俺が作ったんだから、当たり前だ。今日はいいものが見られると聞いて、お前に特別にこれも作ったんだぞ」

そう言い、出されたのは蒸しまんじゅう

「すごくおいしそうっ!」

料理を目にすると、とたんにうれしそうな顔をする湖
政宗は肩を抱き寄せると耳元で

「…俺のためだけに歌うなら、もっといいもの作ってやるぞ」

そう呟いた
湖は片耳を手で覆うと、真っ赤になって政宗から離れようと体を反らす

「やめろ、政宗。俺は先ほどの一度しか、奇妙な歌を聴いていない。他のも聴かせろ」

光秀が、料理をごちゃごちゃと混ぜながら政宗に声をかけた

「やめろは、お前だ。なんでもかんでも混ぜるなっ」
「腹に入れば、同じだろう」
「家康っ、お前のは味付け変えてある。一度食ってから足りなければ山椒を足せっ」

(政宗・・・お母さんみたい・・・)

呆然と席に座っていると、三成がやってきて移動を促す

「湖様、食事前ですが一席よろしいですか?」
「三成くん?何を?」
「っこら、何じゃないだろ。歌だ」

信長の前、みんなの中央に連れられて座らされると秀吉に歌を促される

「…ほんとに歌うんですか」
(拒否なんてできないんだろうけど…)

「何のための宴だと思ってるんだ」

信長に、「はやくしろ」と促され湖は小さく息を吐いた
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