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【イケメン戦国】私と猫と

第5章 歌声 (裏:政宗、家康、信長)


野菜を洗う手は止めずに
(私は、ペットショップで飼い主さんと出会った子の気持ち…そんな感じでこの歌が好きなんだよね)
誰もいないことをキョロキョロと確認すると、フンフン♪と歌い始めた


『目が合って にっこりほほえんでくれた
彼が選んだのは 私なの
選んでくれてありがとう
毎日、笑顔をプレゼントするから

だから、必ず約束してね
正しく優しく扱ってね
一点物だから返品交換はできませんよ
それでも、いい?

急に不機嫌になることもあるの
理由を聞いても、教えてあげられない
だって、きっとくだらないことだから
でも、放っておかないで
離れていかないで、そばに居て
何も言わなくていいから、そばに居て』


台所に向かおうとした政宗は、その入り口付近で数人の女中がしゃがんで息を潜めている不思議な光景が目に入った

「何やってるんだ?」
「っ!政宗様」

慌てた様子で女中は自分の口を塞ぐと、台所から声が聞こえた


『小さな事でも見つけてね
爪がキレイとか、髪を切ったとか
ぜんぶあなたに見てほしいの
ちゃんと見ていて、絶対だよ
でも太ったとか
余計なことは気付かなくていいからね』


聞こえた声の内容に内心「はぁ?」と吹き出しそうになるが、それが湖の声に気づきそっと覗く
女中が小声で

「湖様、この時間になるとお一人になられるので歌われるんです。いつもは恥ずかしいですと、言って歌われないんですが…」
「聴いたことのない歌ですし、内容もたまに解らないものがあるんですが、可愛らしいものや綺麗な歌を歌われるので、こっそり聴いてるんです」


『わけもわからず泣くこともあるよ
そしたら、優しく拭き取って
ギュッと強く抱きしめて
それだけでいいの

私を選んでくれてありがとう
これからもどうぞよろしくね
こんな私だけど笑って頷いて
ずっと大切にしてね
私もあなたを笑顔にするよ』


「…今日は恋の歌のようです」
ふふっと女中たちが笑う
「ふーん…」
政宗はニヤリと笑うと「良いもの見れた」と言い去った
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