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【イケメン戦国】私と猫と

第2章 目覚めの一日


(むりむり!絶対無理です!!自分から見せるなんて織田信長の命令でも出来ないものは出来ない!)

勢いよく走り出ると、視線の先に家康が見えた

「い…いえやすさーん!たすけて!」
「…はぁ…っ?!あ…あんた、その姿…」

家康の着物の端を掴みを目に涙を貯めて湖が見上げる
むき出しの肩に背中からふくらはぎ
自分の格好など理解してないだろうその態度
いらっとした感情が沸く

「…来て」

すぐそばの人気の無い部屋に湖を入れると、湖はしゃがみこんだ
ぐすん、ぐすんと鼻をすする音を聴きながら

「…あんた、さっき走ってたのに猫にならなかったね」

そう言った
家康は、話を少しそらせば泣き止むだろうと考えたのだ
考えは的中し、湖はすぐに泣き止む

「あれ?なんでだろう…」

はぁぁーと、今までで一番大きく長いため息を聞いた

「家康さん?」
「…着物、着なよ」

湖から、ぼそぼそと声がするが小声で聞こえない

「あんた、誘ってるわけ?」
「ちっ違います!………実は着方が…」

ドンっと音がしそちらを向くと家康が壁を殴っていた

「ごっごめんなさい!!」

先程と同じくらいのため息が聞こえ

「わかった…じゃあ、前を合わせて」

と湖の後ろに家康が回った

「…見えてないから…」

そう言い器用に着物を着付けていく
湖は背中から感じる温もりや、吐息にどきどきしながらもされるままになっていた
着付けが終わるまで長かったのか、短かったのかも解らなくなっていた

「…終わり」
「あ、ありがとうございました」
「言っとくけど、女の着物を着せた事なんてないから…変でも文句は言わないで…」

家康がそっぽ向き部屋を出ようとした

「言いません!!…家康さん、助けてくださってありがとうございます」
「…家康…家康でいい」
「!…ありがとう、家康」

開けかけた襖が外から大きく開けられ、二人はびくりとした

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