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【イケメン戦国】私と猫と

第2章 目覚めの一日


どうにか着物を着たが帯が出来ない

「昨日の女中さん居るかなぁ…」

襖を開け顔を出すが、そこには誰もおらず

「どうしよう…このまま行っちゃうのはダメだよね」
(声だしたら誰か来てくれるかなぁ…でも、男の人だと…)

「湖、どうしたんだ?」

覗いていた方とは逆から声がかかり、顔を向けるとそこには秀吉がいた
遅いので様子を見に来てくれた秀吉に、事情を話して女中を呼んでもらおうとしたが

「はぁー…お前はほんと世話が焼けるな…今まで一体どう生きてきたんだ」
「だって、着物なんて成人式でしか着たことないんだよっ」
「せいじんしき?…まぁいい。やってやるから部屋に入れ」

そういい頭を軽く押され、部屋に戻された

「…着物も…か」

じっとみると大きなため息をつき襖を閉めた

「これじゃダメですか?昨日、女中さんに着せてもらったのを見よう見まねでやってみたんですけど…」
「駄目だな」

そう言うと、下帯に手をかけ簡単に脱がせていく
湖は、その手際のよさに思考も追い付かず去れるがままになって
あっという間に帯も

「よし、これでいい」
「あ、ありがとうございます…」
「…お前、無防備だと言われた事が無いのか?」

(無防備…?)

「あ…」

今更ながら思い出した湖
襦袢がインナーみたいなものだと
そして秀吉に襦袢以外脱がされ着付けてもらったんだと

(私…)

湖は秀吉の顔を見られず俯くと頭を下げた

「すみませんでしたっ!」
「…少しは気を付けろ…俺だから良かったが、政宗なんかが…あ、そういえば首の傷みせろ」
「え、あ…はい」

首をかしげて、昨夜政宗につけられた刀跡を見せるようにすると
そこを指で撫でられ湖に甘く痺れが走る

「ん…」
「大丈夫そうだな…跡は残らないな…」

知ってか知らずか秀吉さんは、再び跡を撫でた

(あ、んん…)

ざわりと痺れ声出そうになったのを、片手で口元を押さえこらえる

「よし!じゃあ飯に行くか」

ポンポンと頭を撫でられ湖は「はい」と染めた頬に気づかれないように下を向いたままで答えた
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