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届かない空

第2章 訓練兵






843年――――――





ユリア、マーレ、共に12歳になり訓練生に志願。



とは言っても、志願なんてものは建前だ。








ユリア「マーレ。兵には志願したけどどうしよっか?」

マーレ「さぁ・・・。どうとでもなるだろ。」






誰もが教官に名を聞かれ、兵に志願した理由は何だと問われた中、この二人だけは唯一聞かれなかった。




ユリア「クスクス)じゃあ私は立体機動で1位取ろうかな。」
マーレ「じゃ、俺座学。」



男子寮と女子寮で分かれているのに、ユリアはマーレと共に寮の外にいた。






ユリア「まだ立体機動装置も触っちゃいない、座学も始まってないのにね。」
マーレ「やれない、なんて後から言わないだろうな?」
ユリア「言わないよ。」






二人は寮に戻る事なく木の上に寝そべって朝を迎えた。

















教官「それでは!立体機動装置の装着、及び適性検査を始める!!これに受からなかった者は不合格とし、開拓地に移ってもらう!」




数日が経ち、適性検査が行われた。


立体機動装置の装着に手間取ったり、バランスを取るのに時間が必要だったりとする訓練兵達。
2人1組で行われるテスト。





「ユリア・キール!マーレ・キール!始め!!」






始めの合図で二人は着々とベルトを締める。


他の訓練兵とはスピードが圧倒的に違う。









ユリア「上げて下さって結構ですよー?」


ハッと先輩訓練兵が気付いた時には二人とも用意が出来ており、後はあげてもらうだけだった。






二人とも何の問題もなく地面から浮き、バランスよく浮いている。






教官「・・・合格だ。」



二人そろって降ろされる前に繋げられている金具を外して降りる。




マーレ「教官、ユリアのベルトは破損してるので交換を希望したいのですが。」
ユリア「え、ウソ。」



シュルリとユリアのベルトを外し、教官に渡すマーレ。


マーレ「お願いします。」





そう言うと、マーレは戻って行った。ユリアもマーレの後を追う。














教官「・・・確かに、破損している・・。」






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