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人外王の花嫁

第2章 悪魔の王


私は久し振りの食事に大満足だった。夕食を食べ終えてもアダマンド様は私を手放すことはせず、そのまま抱き上げるとゆっくりと歩き出した。
片手で軽々と抱き上げているアダマンド様は凄い。私は彼の腕に座り、バランスを崩さないように首元へ手を回していた。

「アダマンド様、何処へ行かれるのですか?」

歩いていく方向がアダマンド様のお部屋ではない事に気が付いて問いかけた。

「風呂だ。今日は私がそなたを洗ってやろう」

「お風呂ですか?!」

と、言うことは裸にならなければならない。確かに下着無しの透けたネグリジェ姿なら見られているけれど、お風呂と言うのはまた何だか違う感じがして恥ずかしい。
でもアダマンド様が愉しそうにしている様子を見ると嫌がるわけにもいかないし。そうこうしている内に風呂場へと着いてしまった。
お風呂担当の召し使いの人がうやうやしく頭を下げる。

「アダマンド様、お手伝いを…」

「今宵は手伝いは要らぬ。人払いをせよ」

控えていた召し使いに指示を出すとアダマンド様は二人きりになった風呂場へと足を進めた。

「私が脱がせてやろう」

「い、いえ、じ、自分で脱ぎます!」

降ろして貰うと、アダマンド様が私のドレスに手を伸ばして来たので慌てて背中を向けた。どうしたものかともたもたしていると、背後から布ずれの音が聞こえた。
アダマンド様が服を脱いでいるらしい。そう言えばアダマンド様の裸を見るのは初めてだ。

ドキドキしながらちょっとだけ振り返った。盗み見たアダマンド様は、何時か美術の教科書で見たギリシャ彫刻の様な綺麗な体をしていた。そう言えばお部屋でガウン姿でいらした時も、肌蹴た胸元から立派な筋肉が見えていた。腹筋もでこぼこして割れているし、二の腕や腿にも筋肉がついていて見惚れる程に逞しい。

「っ…」

ふと、見えたものに慌てて背中を向けた。え、え?だって、さっき見えたの…

「、そなたも早く脱げ。先に行くぞ」

「は、はい!」

背後から声をかけられ、私も慌てて服を脱ぎ始めた。けれど、私は脱ぎながら先程見えたアダマンド様の足の合間で揺れるものを思い出していた。

さっきの…さっき見えたアダマンド様のもの…


私の見間違い…だよね?だってだって、もし私の見間違いで無いのなら、アダマンド様のあれは…




私の腕位の大きさが有った様に見えた。
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