第7章 6月。
「ねぇー、達也くーん」
精一杯甘えた声を出したのに、彼は夢の世界から帰ってきてはくれない。
私は一人で……
ダメダメ、なに考えてるの。
隣に大好きな彼がいるっていうのに。
でも……だめだ……我慢できない……
左手は下着の中に忍び込む。彼の……ではなくて、自分の。
エッチな期待を膨らませていたから、人差し指でなぞるとぬるりと滑る。
あぁ、指……入れたい……
もう一度達也くんの寝顔を覗き込む。長いまつげが揺れて、ちょっと口を尖らせてる。どんな夢見てるの?
愛しくてほっぺをつねってみたけれど、ピクリとも動かない。
1週間ぶりに会った上に、先週は女の子の日だったから激しく求められるかもなんて期待してた。
練習で疲れてるのは重々承知だけど、シャワーを浴びてる間に寝ちゃうなんてひどいよ。
こんなに、達也くんに抱いて欲しいのに。