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delivery start【KJ∞】

第5章 友達以上は、何て言うの


あれから数日後、

今日、学校終わりに渋谷さんに服を返しに行く。
数日たってしまったのはまぁ…わたし的に会いづらいというかなんというか…
バイトでも会ってない。

はぁ…ちゃんと顔見れるかなぁ…
お友達だから意識してたらおかしいでしょ…

「うーーーーん…天気はいい天気ー」
今、カットの終わった犬を散歩させている。
外でしかトイレしない子もいるためだ。
あと今日は1頭しか当たってないので時間もある。

ワンワンッ
「ん?走りたいの??」
そういうわけじゃないみたい。
立ち止まっているのでわたしもしゃがみ、犬を撫でた。
「天気いいねぇ夏だねぇ」
この余裕のある散歩時間が好きだ。

ん?
視線を感じる…っていうか犬がなにか見てる…
視線を辿ると

「!?」

そこには、渋谷さん

が、

凝視してきている。

み、見られてた…?

フッと含んだように笑うと、
「それ、学校の制服?」
と言った。

、普通の、渋谷さんだ…
わたしだけが、意識してた。

「…トリミングするとき用だけですけどね。しかも上だけ」
ほら、とピンクの制服(.わたしたちは白衣と呼んでいる)を見せた。

外出時の渋谷さん、初めて見た…
Tシャツにダメージジーンズ、そしてサンダルをひっかけている。それとコンビニの袋。

「下はジーパンなんやな。毛だらけやん」
「下はなんでもいいんですけど、わたしは毛を通さない生地のジャージ持ってなかったんで…」

しかも買った時は良かったはずだけど、最近はウエストとかぶかぶかですぐずり下がる。ベルト必須ズボンになってしまっている。
だからこそ汚れてもいいようにとこのジーパンにしている。

「…犬、触ってもええ?」
ジッとわたしが散歩させている犬を見ている。

「う、うーーーん…この子噛むからなぁ…」
「はっ?!?!さっき霄ちゃん、普通に話しかけながら触ってたやん!」
え!待って!
「そこから見てたんですか?!」
「え、おん」
何故か渋谷さんが気まずそうにしている。
「この子、トリミング中も血が出るレベルで噛んできたりするんで口輪はしてるんですけど、可愛がってたらわたしにだけ懐きまして…」
だからみんなやるのを嫌がってわたしが担当になった。
怒ったらちゃんと言うこと聞いてくれるし遊びとお仕事ってちゃんと分けてくれてると思うんだけどなぁ。

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