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delivery start【KJ∞】

第7章 隠しきれない。



なんで、
なんでこういう時だけ、

そんな真剣な顔するんですか?

いつだってそう。

セクハラ発言の時とかはまだ冗談に出来るから。
冗談だって言い聞かせることが出来る。

けど、そんな真剣な顔されたら。

わたしだけって。
わたしだけなんだって自惚れちゃうじゃない…?


「、そんなこと、言ってたら…
違う意味で勘違いされちゃいますよ?」


笑うけど、空笑いになってしまう。


「ええで。
勘違いやないし」



へ…?
どういう、


「気ぃつけて、帰りや」

言葉の意味を考えていたら、いや、考えるというか、理解出来なくて固まっていたら
すばるさんは方向転換する。
寒さのせいか、微かに見える耳が赤く見える。

「す、すばるさん、あの、」

呼びかけると、すばるさんが歩みを止めた。

「勘違いやないって…」

「霄ちゃん」


顔だけこちらを向く。


「誕生日、一緒に飲もな?」


わたしの、大好きな顔で、
目を細めて笑う。


「お、覚えてたんですかっ」


わたしだけだって思ってた。
だって、言ったの、出会った最初の頃だったし…
すばるさんにとっては何となしに言ったことだって

「当たり前やろ」


優しく笑い、軽く手を振って歩き出す。





わたしはすばるさんの姿が見えなくなるまで、動けなかった。
















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