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delivery start【KJ∞】

第7章 隠しきれない。


実は、腕に濃いアザが出来ている。
落ちた時はどう当たったか分かんないけど
半袖だと絶対見える。

「や、でもほら、宅配の時は上着着るし!」

多分シフト的に、今日はわたしが宅配係。

「えぇ〜?宅配行くつもりなの?」

だからもし、すばるさんが宅配注文しても、見られることは無い。












「って思ってたのになんで来ちゃうかなぁ…!」

「おん?なんや言うたか??」

んー?と目の前で首を傾げる某Sさん。
もとい、
すばるさん。

「なんでも、ないです。」


今日はすばるさんから宅配ないかもなぁなんて考えてた20時30分。
今日はピークが終わってもう暇になっていた。
残り30分、長く感じちゃうかなーなんて考えてたら自動ドアが開いた。

「いらっしゃいませー…えっ!!?」

目を向けると、一昨日見た顔が。

そして、目の前のカウンター席に座る。

その間、じぃーーーーとガン見されている。

「一昨日?ぶり、霄ちゃん」

ま、まって、

なんで言ってないのにピンポイントに
お店来たの…

しかも
なんか

怒ってる…?

顔が険しい。

「えっと…?」

お冷を出しながら首を傾げる。

「なんでおるん」

「え、や、あの、こっちのセリフ…」

悪いことしたみたいにしどろもどろになる。

「俺は客やからええやんか。
霄ちゃん、なんで働いてるん。」

あの、力強い目力で見つめられる。


(そこかぁ…!)

すばるさんは、わたしが怪我して2日3日ほどで働いてることに怒っているらしい。

「や、ほら、迷惑、かけれないじゃないですか」

「はー出た出た」

大きなため息をつく。

え、なんで、ため息!

「ほんまなんでそんなええ子かなぁ…少しは悪い子なってくれやぁ」

ムスゥと頬杖をつく。
…目の前でそんな可愛い顔されても…

「わたし、悪い子ですよ??」

すばるさんの前ではそんなに見せてないから知られてないだけで…

「どこがやねん…」

悪い子って言うただけでなんやえろいし…、なんてわけのわからない呟きをしている。

「というかほんとになんで来たんですか」

いつも宅配であの時の1回だけだったのに。お店に来たの。

「…霄ちゃんがおる気がしたからや。」
ボソッと不満げに言う。




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