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短編集…あんさんぶるスターズ!【あんスタ】

第24章 無自覚は苦しい 乙狩アドニス


「すまない、我慢してくれ。」


無理です無理です無理です無理です無理です無理です無理です無理です無理です無理です無理です無理です無理です無理です無理です無理です無理です無理です

ドキドキしすぎて苦しいです。

ふぁ!?ロッカーの中に二人とかふぁ!?

た、確かにアドニスくんも外にいたらバレちゃうけども!!

これはあんまりだよぉぉぉ!?


「む、狭いな。俺は体が大きいから……苦しくないか?」


ある意味苦しいです。と言葉にならない遺言を残して昇天しそう。

ロッカーの外ではガヤガヤ声が聞こえてくる。ヤンキー集団が中に入ってきたらしい。

お願い早く出て行って!!!


「あー、疲れた…」

「誰もいねーし休憩っと。」


休むな出て行けーーーー!!!!!それでもヤンキーか!?ヤンキーなのか!?


「……まずいな。しばらく出られなさそうだ。」

「………そうだね」

「安心してくれ。いざとなったら俺が守ろう」

「ありがとう……」


アドニスくんはロッカーより背が高いから、私なんかよりしんどいだろうに。

そして体制的にアドニスくんが辛そう。足とか腰とか首とか微妙に曲げてて辛そう。


「ごめんね、変なことに巻き込んで…」

「いや、またケガをされるよりは良い。」


外では下品なギャハハとかいう笑い声が響いていて、こちらの声は聞こえていないようだ。

……私、中学時代あんなんだったんだ。

と思えば恥ずかしい。


「昨日のケガは、何ともないのか?」

「平気…………」


アドニスくんがソッと怪我した頰に触れた。
突然のことに、ビックリした。


「ごめん、触られると痛いな…?」

「そうだな………すまない」


アドニスくんは本当に切ない顔をしていて、何だか私も心苦しい。


「………時々、不安になる」

「…………アドニスくん?」


彼は、たくましい体で……弱々しく語り出した。
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