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短編集…あんさんぶるスターズ!【あんスタ】

第18章 ガラクタドールガール 斎宮宗


「…あの絵がこうなるとはね。ある意味天才かもしれん。」

「…あ、ありがとうございます………?」


とりあえず褒められたと受け止めよう。作り上げたウサギのできは良かったようで、ホッとした。


「……おや、こんな時間か。そろそろ帰らねばな。」

「あの、今日はマドモワゼルさんはいらっしゃらないのです?」

「少し損傷してしまってね。直してもらっている。」


斎宮さんは送っていく、と言っていたが私は弓弦くんと坊ちゃまを待たねばならない。

でも断るのも申し訳ない。弓弦くんに一緒に帰れないというメールを送って、斎宮さんと帰ることにした。


校門には……………………、また出待ちしているのかあの子達がいた。


「うっわ伏見!何で斎宮さんと!?」

「まじであり得ない!」

「僕が送ると言ったのだ、君達には関係ないね」


斎宮さんがそう言った後で、カシャッとカメラの音がした。


「あはっ、ツーショットゲットー。付き合ってるナウってSNSにあげよっか?」

「な、何を……!おやめください、そのようなことは……!」


携帯を取り上げて写真を削除しようとその子の携帯に手を伸ばした。


「ウザイ近付くな!」


しかしそう言われてガッと推されてふらついてしまう。倒れる寸前で斎宮さんが支えてくれた。


「…………暴力とはね」

「すみません、ありがとうございます…。」


その子達は携帯を持ってニヤニヤと笑っている。本当に、恐ろしい子達だ。


「ちょっと!!」


突然、かん高い声が聞こえてきた。この声は、坊ちゃま…!?


「お前達ねぇ、僕の奴隷二号に何してるの!?パパに言いつけてやる!ただじゃおかないんだからっ!!」


部活中だったのか、テニス部のユニフォームを着た坊ちゃまがラケットを持って仁王立ちしていらした。


「ヤダ!fineの桃李くんだっ!!ヤバイヤバイめちゃ可愛いっ!!」

「やった!やっと会えたっ!!」


……………どうやらこの子達fineのファンらしい。

そういえば、前の学校でもよくfineヤバイマジヤバイとか言ってたような………?

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