第18章 ガラクタドールガール 斎宮宗
「お嬢様、お急ぎくださいまし!」
「や~!眠い~!」
姫宮家のご令嬢は朝が大の苦手。小学校へ登校させるだけで一苦労。
「弓弦く~ん!また遅刻かもっ!!連絡、よろっ!!」
「はしたないですよ。ちゃんとした言葉遣いを……」
「お説教はいいからさ~っ!!」
と家の中でドッタンバッタン。こんなんだから、高校にはあまり通えていない。
………まぁ、良いけどね。あんなところ行きたくないし。
「あぁ、そうでした。言い忘れたのですが…………。
今日から、夢ノ咲学院に転校することが決まっていますので………遅刻はいけませんよ。
ですので、これから朝のお嬢様のお世話は他の者がやります。」
「…………は?夢ノ咲…?嘘っ!こないだ坊ちゃまが入学なさるからって弓弦くんが転校したところでしょ!?どうしてこんな微妙なときに……それに、何で私が?」
「プロデュース科というものがあるようで、まぁアイドル科の生徒と授業は受けるようですが………いえ、私が説明するよりは学院で聞いた方が良いでしょうね。さぁ、私達も支度をいたしましょう。
ほら、制服です。」
弓弦くんが押しつけてきたのは……弓弦くんと坊ちゃまが毎日来てる、夢ノ咲の制服の女子バージョン。
でも一つ、腑に落ちないのは……
「………あそこのアイドル科、男子校じゃなかったかな?」