第12章 私達 蓮巳敬人
「あんず!何やってんの!?」
教室でそろそろ帰ろうかなと荷物をまとめていると慌ただしくスバルくんが走り寄ってきた。
何だ、と首を傾げていると手をグイグイと引っ張られた。そのおかげでカバンを落とした。
「ス、バル、く、ん……」
どうでもいいが走るのが速い。足がもつれてこけそうだった。
「放課後にドリフェスがあるのに何で教室にいるのさ!?プロデューサーがいないから何もできないって…………もうパニックだよ!?」
「え……」
今度こそ私はこけた。
スバルくんも巻き込んでしまった。
「ったぁ…!あぁ!時間が!!急がないと、あん…「聞いてない……」
あんず?」
「私、そんなの聞いてない。そんなの知らない___」
私は頭を抱えて考えたが何一つ覚えのないことだった。
「ドリフェスって___しばらくプロデュースないはずなのに__」
訳が分からない。
もしかしたら、生徒会の仕業なのか。
「…………嘘じゃ、ないんだよね」
スバルくんが静かに聞いてくる。
私は黙って頷いた。
「……じゃあ、行こう!!」
どこへ、と問う前にスバルくんは私の手を引いて走りだした。
間違いない、この先は
「生徒会!!」
「何だよ騒がしい…」
中にいたのは桃李くん一人だけ。
スバルくんはその桃李くんに向かってズンズン歩き出す。
「どういうこと!?放課後のドリフェスのことあんずは何も知らなかったよ!?何で全責任があんずにあるわけ!?」
「………………僕だって、知らない。」
桃李くんは問い詰められて半泣きだった。
どうしよう、と私が戸惑っていると再び生徒会室の扉が開いた。
「…何をしているのかな」
皇帝は、憎たらしいほど綺麗に笑った