第12章 一難去ってまた一難
美琴side
職員室に行くのが怖かったけど、頑張って
向かった。
すると、女性教員は気まずそうに私の顔を
見て、どこかに逃げていった。
え? なんで私が逃げられるの?
と不思議に思っていたら、校長先生から
理事長さんに呼ばれていると聞いた。
とりあえず、理事長室に向かって
「失礼します、七瀬ですが」と言うと、
「入ってください」と優しい声が聞こえた。
理事長室に入ると、理事長さんが笑顔で
「昨日は閉じ込められて、大変でしたね」
と言われて、え?と思い固まってしまった。
でも、理事長さんはその様子を見て
「涼介君が昨日凄い勢いで社会準備室の
鍵の場所を訊いてきたからね (笑) 」
「何事かと思ったよ!」
「女性同士は大変だと思うけど、うまく頑張
るんだよ」
「今回だけは、厳重注意をしといたけどね(笑) 」
と言われて、「大変申し訳ございません」
「以後、気を付けます!」
ときちんと謝ると頭を撫でられて、
「モテる女は辛いね (笑)」とからわかれた(>_<)
本当に理事長さんは優しくて、私の祖父の
ような人だなと思った。
そして、涼介が私のために必死になってくれ
ているなかで、私は優輝と抱き合っていた。
本当に私は最低だなと自己嫌悪。
でも、きちんと涼介に話さなければいけない。
今、逃げちゃいけないと改めて感じた。