第1章 1章:天使と悪魔
ー眠い…
いつになったらこんな毎日が終わるのだろう。
この世の中は同じ事の繰り返し。
そんなつまらない世界から飛び出して、別世界に行けたらいいのに。
「何てね」
少し妄想しすぎたか。
向こうの方で声が聞こえる。
『遠前さん、いつも一人だよねー』
『完璧すぎて近寄れないよぉ!』
『しめられそう‼』
そんな事しないのに…
私、遠前渚は昔からこうだ。
友達を作ろうとしてもみんな私には近づいてこないし、私も無理には近づかない。
もう決めたんだ。
友達なんかいらない。
「あら渚ちゃん、おかえり!」
「ただいま、富子さん!」
富子さんは近所の料理屋のオーナーを務める料理人。
いつも私に挨拶をしてくれて…ん?
「何だろ?」
私はそーっと近づいて見た。その魔方陣に。
別世界の入り口だったりしてね!
と、その瞬間!
「きゃっ!」