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制服少女と赤瞳少年【HP】

第23章 アナタシダイ


課題なんてたいしたことはなく、テストも身構えていたほどの難題もなくそれなりに解けたと満足した午後の陽だまりで少女は久しぶりの休日を過ごしていた。
逃げるように勉強をしそれが終わるとつかの間の休息と夏休みである。

夏休み、きっと自分はホグワーツに残るのだろう。
最近よく話すようになったマルフォイ家の嫡男に家に呼ばれるかもしれない。少年がそんなことを匂わせていたからだ。

でも少女は行かないだろう。そう想像できた。

二人の友人の誘いも断るのだろう。

少女の中でつかの間の休息は本当に束の間であり、夏休みは絶好の知識の溜め込みの時期である。
ありがたい事に書物は図書館に行けば揃っている。
実技の質問だって教授たちに聞けば理論なんかは教えてくれるだろう。
勉強部屋で魔法を使うことだってできるはずなのだ。
少年に負けぬよう、隣に並んでもぶれない強さを手に入れるには夏休みほど良い期間はないのだ。

夏休みが開ければ少年は3年生になる。
つまりマートルの悲劇まで2年間を切るのだ。詳しくいつ頃だったかを覚えていないのが辛い。
それにヴォルデモートとしての名を今年以上に広めていくのだろう。

『でも、全部推測……』

白い杖を手で弄びながら少女は未来に思いを馳せた。
彼は何でそんなにマグルを嫌うのだろうか。
力で征服し何がしたいんだろうか。
ヴォルデモートの行動は読んでいる少女には理解出来なかった部分が多かった。
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