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制服少女と赤瞳少年【HP】

第21章 そして景色は


『トモダチになりたい』

少女はそういい手を差し出した。
少女なりに考えた結果なのだ。
向かい合えばきっと少年の闇に飲み込まれてしまうと、
けれど少年と離れる心づもりはないと。
しかし隣に立ちたい、そして出来れば対面する形ではなく。
まるで今少女と少年が床に座るように。

「僕に友達はいらない」

『私には必要なんだよ』

「仲間だったら?」

『それは…無理』

少女は少年の闇を否定する。
少年とてこの少女のことは気に入っている。
未来を知り、今は語る気のない少女だがダンブルドアに取られるのは釈だ。
そして何より魔法の筋もいいし頭も悪くない。
(この悪くない、は少年が自分と対比してのことであるため世間から見ればとても良いことが伺えるだろう)

少年の瞳が再び紅くなりスっと細まる。
心を冷たい手で撫でられているような底知れない寒気に襲われる。

「愛なんて知らないくせにって?」

『…っ。そうだよ。恋愛も友愛もリドルくんは知らない』

「君は知ってるとでも?」

『マグル学ぐらいには自信があるよ』

「そりゃ結構なことで」

ハッと鼻で笑う少年の瞳は元の色に戻っており、この話は流れる雰囲気であった。

少年と少女はこれまで向き合っていた。
少なくとも少女はそう思っていたし少年もそうだろう。
少年は隣に立ち同じ方向を向くことを望んだ。
少女は隣に立ち同じ景色を見ることを拒んだ。
少女はいったいどんな景色を望んでいるのか、それは少女自身もよく掴めていないのが事実である。

【そして景色は】
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