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制服少女と赤瞳少年【HP】

第11章 馴染む、そして


少女の学校生活は穏やかに平穏に過ぎていった。
授業の内容も夏休みに予習したことが役立ち特に苦労することもなく秋の半ばに差し掛かっていた。

「琴吹はクィディッチに興味のあるの?」

『うーん……私、ほうき乗ったことないし
クィディッチは見たこともから何とも。』

「え!?」

少女はもちろんのことほうきに乗ったことがなかった。
3年生で編入してきた少女は飛行術の授業も受けることはないのでこれからもほうきに乗る予定は無かった。
同学年の友人には驚かれてしまったが、少女はそもそもマグル出身なのだから魔法だって今年が初めてなのだ。
純血貴族の多い手前、出身は特に言っていないのだが。

談話室は少女がほうきに乗ったことのない話で賑わった。
そしてクィディッチがいかに面白いスポーツなのか少女は色々な人に熱弁されていた。

「Ms.琴吹、みなさん……
今日は何をやってるのだ?」

「あ、マルフォイ先輩!琴吹が
ほうきに乗ったことがなくて
クィディッチを見たことがないんですって!」

『お恥ずかしながら……。』

「彼女の故郷、ニッポンでは
あまりメジャーではないと聞く。
ニッポンのクィディッチチームは弱いしね。
もうすぐシーズンに入るから
初めてのクィディッチ、
楽しみにしているといいよ。」

そう言った青年の微笑みは完璧なものだった。

「琴吹に初勝利を捧げよう。」

そういったのは今年のクィディッチのキャプテンだ。
少女は友人に耳打ちされる。

「今度チームの誰かにほうき乗せてもらえば?」

『うーん…考えておく。』

正直あんな不安定なものに乗るぐらいなら姿あらわしをマスターするの方が安全だ、と少女は密かに決意していた。

今日も少女は同寮生に囲まれて放課後を平穏に過ごしたのだった。

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