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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第13章 【縁下兄妹、東京へ行く】中編


「う、ぐ、」

おまけに鼻をすすっている。それが聞こえていた美沙はあ、このパターンやばいと思っていたのだが白福が離してくれないので動けない。そして案の定事は劇的に進行した。

木兎が涙その他でぐちゃぐちゃの顔のまま猛スピードで向かっていき白福から美沙を奪った。
いきなりぎゅううとされた上に頭をくしゃくしゃやられた美沙は今度こそ盛大にふぎゃあああああああっと叫んだ。
叫びを聞いて話していた義兄の力と赤葦がすっ飛んできた。
雀田が木兎をベシンッとひっぱたき、ギャッと怯んだ木兎の首根っこを赤葦が引っ掴んで引きずった。
力が素早く木兎から解放された美沙を回収、自分の後ろに庇って後からやってきた清水と谷地がその後ろを固めた。
木兎さんが危ないと木下と成田も飛んできた。
更には音駒から灰羽、山本、犬岡が美沙(さん)大丈夫(ですかっ)とすっ飛んできた。

「何やってんですか。」

赤葦が木兎に言う。静かだが威圧感があるあたりかなり怒っている。

「だってよあかーし、すんげぇ人生じゃんっ。」
「そこは同意しますが野郎が感極まってお兄さんの許可もなく抱っこしていいってことじゃありません。」
「聞かれた所で許可は出さないけどね。」
「縁下顔顔っ。」
「美沙さんっ、ご無事っすかああっ。」
「息してるかー。」
「つか木兎さんズルイっすーっ。」
「灰羽君命が惜しいならその手の発言はやめた方がいいよ。縁下も一旦美沙さん離せよ、木下手伝って。」
「ふぎゃああ。」
「美沙ちゃん、大丈夫。」
「あわわ髪が大変な事にっ。」
「私が先に愛でてたのにー、木兎の馬鹿ー。」
「それより木兎は後でちゃんと謝りなよっ。」

これはひどい。

「やっぱりこうなっちゃいますか。」

音駒側で芝山が呟き黒尾がケッと言った。

「あの地味リボンも地味リボンだ何も考えずに生い立ち語りやがって、リエーフと山本の時に学習しろっての。」
「クロ、あの子にはそれ無理。」
「とりあえずリエーフ達を連れ戻してくるよ。」
「おう頼むわ海。福永は何笑ってんだ。は、あの子のふぎゃあがツボに入ったってどんだけだよ。」
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