• テキストサイズ

【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第12章 【縁下兄妹、東京へ行く】前編


「音駒の一部メンバーが美沙さんは来ないのかってうるさいらしい。」
「確かに美沙さん、音駒の灰羽君とか犬岡君とやりとりしてますもんね。」

穏やかに呟くのは成田一仁、その横では木下久志がうんうんと頷いてこう言う。

「後ほら梟谷の赤葦も美沙さんの事知ってるよな。」
「いやだからって美沙を呼ぶ必要あるか。」

頭を抱えだす力に田中龍之介がガッハッハと笑ってその肩をバシバシ叩いてきた。

「いーじゃねーか縁下、おめーんとこの妹ほぼうちの身内だしよ。」
「冗談じゃない、東京でまで美沙を弄られてたまるか。」

木下が出たシスコンと呟くが力はそれどころではないとそちらは無視する。兎にも角にも義妹が巻き込まれるのは困るのだ。

「大地さん、美沙についてはお断りしてください。場合によっては俺が直接連絡します。」

澤村はちょっと待ってろとまた携帯電話を操作した。その間まさかの状況に1年達やマネージャー陣もヒソヒソ言い出す。

「ちょっと一体どうなってる訳。」
「まぁまさか美沙さんが音駒の主将さんに来いって言われるとは思わないよね、ふつー。」
「縁下さん何であんな嫌がってんだろ。美沙は人見知りだけどさ、リエーフとか犬岡もいるし知らない人ばっかじゃないよな。」
「俺にわかるか。」
「清水先輩、仮に美沙さんも行くなら大丈夫なんでしょか。前の合宿の時は美沙さんネタで縁下さんが大変な事に。」
「いざという時は私達で守ってあげましょう。」
「はい。」

しばらくして澤村が返事が来たと呟く。力は勿論多くが固唾(かたず)を呑んで見守る中澤村はふぅとため息をついた。

「スマン縁下、やっぱり美沙さん同行が必須だそうだ。でなかったら話自体なかった事にするって。」

これはひどい。そして思い切りチームの連中からの視線を受けてしまっている状況では力に選択肢などなかった。

「わかりました。」

渋々力は了承した。

「美沙には俺から伝えておきます。」
「ああ、頼む。」

言う澤村の顔は縁下マジでスマンと語っていた。
/ 702ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp