第64章 【烏と狐といろいろの話　その5】

菅原孝支まで乱入してしまった段階で事態は大分面倒くさそうなのであるが、当然この程度では終わらないことは容易に想像がつく。

ということで茂庭の提案通り、義兄妹、有名双子、そのお目付け役、義兄妹の先輩、そしてその他地元校の連中は揃って遊園地の端の方、あまり人が来ないかつ立入禁止ではない場所に移動した。

「で、」

お互い一通り挨拶をし終えたところで、 縁下力は呟く。

「改めてなんで菅原さんが。」
「面白そうだから。」

烏野の副主将は満面の笑みで当たり前のように繰り返す。

「意味わからん。」

義妹の美沙が敬語抜きでこればかりはもっともな突っ込みを入れる。

「だって美沙ちゃんの行くとこ行くとこ引き寄せの法則が発生するし。実際もう伊達工引き寄せてるし、面白そうなこと見逃す手はないじゃん。」
「兄さん、引き寄せの法則ってああいう意味やったっけ。」
「多分違うと思うけど今突っ込むだけ無駄だと思う。」
「ほんま意味わからん。」

実際、菅原の笑顔は癒し系であるが、言動は意味不明である。