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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第63章 【烏と狐といろいろの話 その4】


「それはともかく。」

ここで北の声が凛と響き、縁下兄妹・二口・茂庭は沈黙した。

「改めまして、稲荷崎高校の北信介です。バレー部の主将やってます。」
「ああ、失礼しました。伊達工業の茂庭です、バレー部は引退して今は後輩の二口に主将を引き継いでます。よろしく。」
「稲荷崎の宮侑でえっす。」
「同じく宮治です。よろしゅう。」
「伊達工、二口堅治、現バレー部主将っス。」

なんとも言えない挨拶が交わされる。

「で、ええと」

ためらいがちに茂庭が言う。

「なんでまた稲荷崎の皆さんが。」
「あの」

美沙が説明しようとしたところで、侑が前に出て物理的に美沙を遮ってしまった。

「ままコちゃんに会いに来ましたー。」
「おい、クソツム、何抜け駆けしてんねん。俺も同じく。」
「俺はこのいちびり共の監督でついてきました。」
「あ、うん、どういう流れかわかんないけど大変だね。」
「この二人がままコさんのファンで。」
「美沙さん、またやっちゃったのか、縁下君も苦労が絶えないね。」
「否定の余地がなくてお恥ずかしいです。」
「ちょお、兄さん。」
「ちゅうか、もともとは俺らだけのつもりやったのに、ままコちゃんとまま兄くんが、誰か監督できる人も一緒って条件つけるからあ。」
「そりゃ当然だな。」
「この人、何気にキツいっ。」
「あったりめえだ、相手誰だと思ってんだよ、茂庭さんだぞ。」
「二口、それ褒めてるつもりなの。」
「大丈夫ですよ、茂庭さん。にろさん、密かに茂庭さんのこと尊敬してはりますよ。」
「にろ言うな、ブラコン大ボケ娘。」
「ツム並の暴言豚がおった。」
「あん。」
「治さんっ、やめたってっ。あと二口さん、さっきのは私が悪いですすみませんっ。」

慌てる美沙に二口は、ほお、と呟く。

「大ボケの癖に今日はいやに素直だな。」
「お客さんが他と揉めてまうんは堪忍。」

縁下美沙でも一応それくらいの頭はある。
そこへバタバタと複数の足音が響いた。
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