• テキストサイズ

【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第62章 【烏と狐といろいろの話 その3】


そうしていよいよ食事、なのだが

「いや、ままコちゃんが大食いやとは聞いてたけど。」

侑が呟いている。

「それ食べ切れるん?」

こっくり頷く美沙はかなり大きな定食のトンカツを食している。

「ちゅうか」

治も言う。

「ままコちゃん、カツにソースかけへんの。」

美沙はやはり、こっくりと頷き

「お肉と油と塩コショウの味で十分美味しいから、特にここのは。」

飲み下してから付け加えた。
一方でさり気ない称賛を聞きつけた冴子がそうだろそうだろと密かに頷いている。

「いっつもああなん、まま兄くん。」

侑が力に尋ね、力も、うんと答える。

「俺も最初はびっくりしたけど。」
「うん、意外やな。」

ここで北が口を挟んだ。

「え。」
「え。」
「え。」

侑、治、力が図ったように順繰りに疑問を呈した。
書くまでもないが書いておくと、北の反応が逆に意外だったのだ。

「意外てなんで。」

侑が代表して尋ねると北はなんでも何もと呟く。

「ままコさんの喋りからしてソース文化で育ったんかと思てた。」
「そーなんですか。」

治が聞き返すと北はコクリと頷く。

「その発想はありませんでした。」

力も目をパチクリとさせる。

「別にむつかしい(難しい)ことちゃうやろ。おばあさんは瀬戸内海辺りの出身って話やったし。」

そやろ、と北は美沙に尋ねて美沙は頷く。

「すみません、俺不勉強でよくわからなくて。」
「俺もわかりませーん。」
「俺も。」
「お前ら2人はそも常識の範囲が危ういやろ。」

主将にピシャリと言われて双子はうぐっと唸って押し黙り、当の北は力に向き直る。
/ 702ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp