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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第61章 【烏と狐といろいろの話 その2】


「あ、えと、初めまして、烏野高校2年の縁下力です。こちらこそ遠い所ありがとうございます。」
「妹の縁下美沙です。烏野高校の1年です。宮さんズには一応お世話になってます。」
「一応を強調せんといて。」
「諦めろツム。」

宮兄弟がブツブツ言っているが当然縁下兄妹も北もそちらはスルー、
北はよろしゅう、と返し

「つまり自分がままコさんか。」

ふと美沙に水を向けた。

「あ、はい。」

返事をしながら美沙はなんで急に、と思う。
一方の北はふうんと呟き、しばらく美沙を見つめていたが

「なるほど、可愛らしいな。」

初対面の男子に、それもヘラヘラお世辞を言いそうには見えないタイプに言われて美沙はキョトンとした。
同時に義兄の力も宮兄弟もキョトンとしていた。

「あの、ありがとうございます。せやけど私別にそない顔」
「なんの話してるん。」

静かに言われて美沙は本能的にうっとなった。
怒鳴られないけれども圧がすごいこの感じ、誰かによく似ている。二の句が継げない。

「え、何々。」

不思議がった侑が言い出す。

「北さん、ままコちゃんナンパですか。」

治までもがあり得ないとわかりつつ言い出す始末である。

「そっちもなんの話や。」

北に言われて双子もまたうっとなり、二の句が継げなくなる。

「雰囲気が可愛らしいなって思たからそのまま言うただけや。自分も、」

ここで北は再度美沙に向き直る。

「何卑屈になってるんか知らんけど、初っ端から変なこと言うもんやないで。」

天下のウシワカを天然ボケ呼ばわりする縁下美沙ですら反論が不可能である。
恐る恐る義兄に目をやると義兄も諦めな、という表情で首を横に振っていた。

「はい。」

美沙は素直に返事をする。

「よろしい。」

北が顔はともかく満足そうな声音で言ってとりあえず一旦は落ち着いた。

「えと、それじゃあ行きましょうか。」

力が言って、一行は縁下家へ向かい始めた。
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