第55章 【王者の恩返し】　その2

そうして3人は適当な席につく、のだが

「兄さん。」

美沙は義兄に耳打ちし、義兄はうんと頷く。

「みんな来たみたいだな。」

一等最初に目につくのはヤッホーと手を振ってくる天童である。

「約束通りきたヨン。」
「約束はしていない。」
「厳密かよ。あ、配信兄妹も元気してるー。」
「天童さんが勝手に呼び名増やしはった。」
「美沙、今は突っ込んだら負けだよ。」
「とりあえず天童は一旦引っ込め。」
「ちょ、英太クン何すんの。」
「縁下、美沙さん、何も起きてないか。」
「ちょお、成田先輩。」
「入店した途端に起きてたまるか、てかのっけからやめろ。」
「いや田中と西谷まで縁下がシスコン発揮したり美沙さんがボケ倒したら大変って心配しだすもんだから。」
「田中、西谷。」
「お、俺はソーテーしうる事を述べたまでであってだな。」
「田中先輩、絶対"想定"を漢字変換出来てへんでしょ。」
「実際今までの騒ぎぜーんぶ、力の美沙大好きと美沙の天然で起きてるしなっ。じいちゃんが毎回腹抱えて笑ってるぞ。」
「おじいさんが笑いはるってどゆことっ。」
「西谷、お前おじいさんに美沙のこと喋ってんのか、後で覚えてろよ。」
「縁下、まぁそう言わずに。西谷だし。」
「旭さん、この場合は甘やかさないでください。」
「う。」
「圧されてどーすんだよ、このヒゲちょこ。」
「だったらスガが止めてくれよ。」