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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第51章 【Sorry for Dali その4】


さて、展覧会は無事見終わり、美沙と茂庭は再び美術館の外に出ていた。

「ちょうど昼飯の時間だな。」

茂庭がスマホの画面を見て言う。

「早いもんですねぇ。」

自分は義母にもらった腕時計を見ながら美沙は言う。

「どこ行きましょか。」
「そうだな、ここ来るまでにあったファミレスはどうかなって思ってたんだけど美沙さんが他に行きたいとこあるなら」

茂庭は気遣ってくれたのだろうが、いいのか悪いのか美沙はお洒落な所がいいとか何とかをコタコタ言うタイプの女子ではない。

「ほなそこ行きましょ。」

美沙は笑って言った。
腹が思い切り減っていた。


そして次の瞬間には2人はファミレスにいて昼食にしていた。

「初めて会った時もわりと食べるなぁって思ってたけど」

もぎゅもぎゅとチキンのサラダを食す美沙を見て、向かいに座っている茂庭は苦笑した。

「本当よく食べるなぁ。」
「お外で食べたらいっつもこんなもんですよ、私。」

口の中のレタスと鶏肉を飲み下してから美沙は返し、テーブルに乗せられた皿に目を落とす。
今食しているサラダの皿、メインになるショートパスタの皿、セットでついてきたスープ、茂庭と分けようと思い頼んだピザ、

「とにもかくにもお野菜は必須です。」
「うん、その心がけはいいんだけどさ」

ドリアをスプーンで掬いながら言う茂庭はやはり苦笑したままだ。

「そのサラダ、2人前だろ。」

確かに注文する時、店員に2人前だが大丈夫かと聞かれた。
しかし美沙ははっきりと間違いないです、と答え、実際今サラダは完食寸前である。

「1人前やとちょいと足らんくて。」
「や、でも他も食べ切れるのか。ピザは分けるからいいとして。」
「ご心配なく、食べ切れへんもんは頼まへんです。あとちゃんと自分で払いますんで。」
「いや別に俺そういうつもりじゃ」

茂庭は困ったように笑うが、美沙は嫌味を言われているとは思っていない。
自分が食べる分を頼んで自分で払う、当人にとってはごく単純な話だ。
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