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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第48章 【Sorry for Dali その1】


「美沙っ。」

義妹の予想外の行動に驚いたか、力がすぐ追ってくる。

「あの、」

義兄にも何だ何だと注目する烏野一行にも構わず、茂庭達の側に駆け寄った美沙は早速口を開いた。

「美沙さん、縁下君も。」

茂庭も驚いた顔をする。

「ご無沙汰してます。」
「どうもお久しゅう。鎌先さんと笹谷さんも。」
「おー2人共、元気してっかー。」
「俺も美沙もおかげさまで。」
「てかよ、話に聞いてたけど本当に妹も一緒に帰ってんのな。」
「誰ですのん、笹谷さんにまでその情報漏らしたん。」
「二口。」
「兄さん。」
「次会った時にやかましく抗議するのはなしな。喧嘩売られても我慢する所存なんだろ。」

美沙は、うー、と唸りしかしここで肝心の用をと気を取り直す。

「ところでお三方、急に申し訳ないんですがこの日曜て予定あります。」

本当に急な質問、側に居た力がええっ、と驚く。
一方、伊達工側も困惑したが聞かれた以上は返答すべしと思った模様だ。

「ある。家の手伝いなんだけどよー。」

鎌先が言う。

「俺も。他の友達と約束入ってる。」

笹谷も答える。
早速2人が駄目になったので美沙はあかんかぁと思いつつ、ダメ元の気持ちで

「茂庭さんも、ですか。」

聞いてみた。

「いや俺は特に用事はないよ」」

聞いた瞬間美沙は明らかに顔を輝かせる。

「でもどうして。」

当然聞き返してきた茂庭に美沙は待ってましたとばかりに言った。

「えっと、良かったら今週の日曜日、私と美術館に行ってくれませんかっ。」
「こら美沙、いきなりよせっ。」

力に言われるも美沙はそのままの勢いで手にしていたチケットをずずいと茂庭に見せる。
茂庭は戸惑った様子でチケットに印刷された文字と写真に目を走らせていたが、やがてハッとしたようだった。

「え、あの絵が見れるのっ。」

意外にも嬉しそうである。

「はい。実はパソコン部の先輩にもろたんですけど、兄は部活で他も一緒に行けそうな人がおらんくて。」
「そういえば」

横からチケットを覗き込んでいた笹谷が言う。

「茂庭、この画家好きだったっけ。」
「おうっ。うまく言えないけど発想が凄いよなっ。」

興奮した様子で答える茂庭だが、ふと気がついたように力に目をやった。
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