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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第48章 【Sorry for Dali その1】


「姉ちゃんに知り合いをあたってもらうのはどうかってふと思ったんだけどよ、よく考えりゃあの姉ちゃんの仲間で美術鑑賞なんつー高尚なもんに興味ありそうなんはいねぇわ。悪いな、縁下妹。」
「や、お気持ちだけで嬉しいです、田中先輩。」
「うちのじいちゃんはどうだ、美沙っ。ちょうど行くのはじじむさい感じのだしっ。」
「馬鹿、ノヤっさん、よせっ。」
「わああああっ、美沙さん駄目落ち着いてええええええっ。」
「縁下もっ、相手は西谷だぞただの考え無しであってわざとdisってる訳じゃないのわかってるだろ突撃やめろっ。」

何も考えずに地雷発言をした当の西谷夕は何故か縁下兄妹が無表情で怒っている、とキョトンとしていた。

「久志、やっちゃんと一仁が必死で2人止めてるけどよ、じいちゃん薦めたのがまずかったのか。」
「いや、美術鑑賞をじじむさいって言ったのがまずかった。」
「そうかっ、2人共悪かったっ。」

西谷は謝り、縁下兄妹はそれで一旦落ち着く。
ここでいっその事さ、と成田が言った。

「縁下がどう言おうが1人で行くのもありじゃね。」
「俺がって何だよ。」
「美沙さんがお前なしでどっか行くっつったら長々と注意事項並べ立てる癖によく言うよ。」
「そうそう。」

木下にまで同意されて力はおかんむり、一方成田と美沙はそのまま話を続ける。

「チケットの人数的に勿体無いかもだけど、どうしても見たいんだろ。1人で気にせずのんびり行くのも悪くないと思うけど。」
「ああ、確かに成田先輩の言わはるんもええですねぇ。」

美沙は考える。元々は特に友人もいない環境で過ごしてきた身の上だ、少しさびしくはあるが1人で行くのも悪くない。

「ええー、お1人様検討すんの。」

ここで3年にして副主将の菅原孝支がそりゃ駄目だと言いたげに口を挟んだ。

「お1人様差別はあきませんよ、菅原先輩。」

まったく怒ってはいないがさらりと突っ込む美沙に菅原はちげぇってと笑う。
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