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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第45章 【王者の命】その5


「僕はただままコさんの謎体質とあの半分ボケぶりの有効活用をご提案しただけですよ。日向に次いで他校と何か起こすあのエネルギーをどっかに還元してもらわないとこっちが保ちません。」

ここで力はふと気がついた。

「そう言えば日向はどうした。」
「あそこですよ。」

面倒臭そうに月島が目を向ける先には、白鳥沢の寒河江と赤倉と何やら話している日向の姿があった。

「前にあいつが乱入してきた合宿の時に仲良くなったみたいで。」
「流石のコミュ力、ってとこかな。」

月島はさぁ、と温度なく返事をして日向がいる方向から目をそらす。
力はもう一度義妹の方を見る。

慣れない大人がすぐ近くにいる中で義妹は動画の処理に集中しているようだった。


実際美沙は動画に集中していて烏野の方で義兄が何やら叫んでいるのは聞こえてはいたものの、振り向きもせず作業をしている。
普段触らないOSのパソコンとは言え、キーボードショートカットが何となく使っているOSと似通っているものがあるのは助かった。
どうしてもわからない場合は斉藤に聞いたりマニュアルを借りたりして何とか凌いでいる。

内容だって特に画面効果が必要でもなく、実際斉藤からも明らかに不要な部分を切ってDVDに収まるサイズになっていればいいと聞いていた。
自分がやっている描いてみた動画よりはずっとやりやすい。
とはいえ分割するタイミングや不要として切り取る所を間違えてはいけない訳で結構気を使うところだ。
プレビュー画面に映る動画を確認、タイムラインで切ってもよいと思われる範囲をマウスでドラッグしては削除の操作、地道な操作の繰り返して美沙はどんどん編集を進めていくのだった。


更にその頃、離れた所でこんな会話があった。

「翔陽、あの女子何者なんだぁ。」

寒河江が絶賛編集中の美沙をこそっと見やって日向に尋ねている。

「ああ、美沙のこと。」
「美沙って言うんだ。」

日向の返しに赤倉がへー、とばかりに呟く。

「で、結局何者なんだ。翔陽以外で牛島さんにあんなに喋るなんてただモンじゃなくね。」

何故かヒソヒソと言い出した寒河江、

「喋るどころかペシペシ叩いてたもんなぁ。」

苦笑する赤倉、日向はうーんとと前置きをした。
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