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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第44章 【王者の命】その4


この一連の様子を白鳥沢側の選手達は何とも言えない雰囲気で見ていた。

「孫だ。」

山形が言った。

「孫だな。」

瀬見が言った。

「孫ですね。」

白布が言った。

「つまり監督はじーちゃ」
「工はそれ以上言わないようにな。」

大平に突っ込まれた五色がうぐと口を噤み、天童がブッフォと吹き出した。

「ままコさんの勢いが止まりませんね。」

呟く川西に対し牛島は表面上の反応はない。

「思い出したのかもしれない。」

思わぬ感想に他の連中はえ、と牛島を見る。

「何をさ。」

天童の問いに牛島はやはり特に表情を変えずに答えた。

「亡くなったおばあさんを。」
「あっ。」

五色が声を上げた。

「そっか、あいつ」

牛島は頷く。

「親がおらずずっとおばあさんに育てられてたと聞く。」
「で、そのばーちゃんが死んで烏野の6番クンの妹になったんだっけー。」
「何回聞いてもなかなかの人生だよな。」
「感心するな太一、世の中色んなやつがいる。薬丸より凄まじいのだっているだろ。」
「つっても賢二郎、自分だったらそんな人生想像出来る。」
「出来ないしするつもりもない。」
「白布はどんだけクールだよ。てか烏野6番と監督とコーチがめちゃくちゃ慌ててるぞ。」

気の毒だと言わんばかりに呟く瀬見に大平が無理もないと言う。

「完全に1人違うとこで突っ走ってるからなぁ。」
「俺としては監督が何も言ってないことに驚きだわ。」

山形も感想を述べている中、コート外の部員もヒソヒソと言い合っていた。

「なぁ、」

1年の寒河江勇将が同じく1年の赤倉櫂に呟いている。

「あの撮影で来たっぽい女子ずっとやばくね。」

赤倉はうんうんと頷く。

「牛島さんはたくし監督撫でるし、何モンだろ。」

寒河江は、な、と応える。

「何かレギュラーの皆とも顔見知りっぽいし。」
「後で翔陽に聞いてみようぜ。」

赤倉の提案に寒河江は賛成した。


次章へ続く
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