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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第39章 【トラブルドゥトラベリング】その5


早速宮兄弟がやかましい。

「ままコちゃん何も叫ばんでもっ。」
「せやでツムやったらともかく。」
「どういう意味やクソサム。」
「そのままやボケツム。」

またも喧嘩を始める双子、が、

「ええいやっかましーっ。」

間に挟まってしばらくプルプルしていた縁下美沙に一喝されて大人しくなる。

「とにもかくにも兄さん以外は抱っこ禁止っ。」
「小作も言うてたけど兄貴やったらええんか、自分それヤバないか。」

喧嘩の勢いを削がれた治が呟いたが何せ相手は縁下美沙だ。

「ヤバないもん。」
「兄貴やろ。」
「うん。」
「ヤバイやろ。」
「ヤバないです。」

埒のあかないやり取り、治は勿論要領を得ないものだから首を傾げるばかり、とうとう状況をニヤニヤしながら見ていた侑が言った。

「せやなぁ、自分とこはホンマの兄妹ちゃうもんなぁ。なぁ、薬丸美沙ちゃん。」
「何で前の名前知っとんのっ、ちゅうか私もう縁下やし。」
「誰、ままコさんの前の名前あの人に教えたの。」

一連のやり取りを聞いていた月島が呟きながらも影山の方を見る。
影山はあからさまに視線をそらしていた。

「何だって寡黙な顔してベラベラ余計な情報喋ってんの、どうせ向こうさんのペースに乗せられたんだろうけど馬鹿過ぎデショ。ま、僕には実害がないから別にいいけどね。」
「影山、お前今度こそ終わったんじゃね。」
「うっせ日向、リアリティある事言うんじゃねぇっ。」
「自覚あんのかよ。」
「縁下さんは間違いなく黙ってないだろうね。美沙さんは、うーん微妙。」
「喧嘩にはなるんじゃない、もっとも王様の負けは明らかだけど。」
「だよなぁ。」
「日向も笑ってるけど人のこと言えるワケ。」
「お、俺は美沙に喧嘩売ったりしねーしっ。」
「ツッキー、ツッキー。」
「山口うるさい。」
「ごめんツッキー、でもこの流れまずくない。美沙さんまた何も考えずに身の上話をしそう。」

山口の指摘に月島はハッとして美沙、谷地、宮兄弟の方を振り返った。
が、このパターンは往々にして間に合わない。
既に宮治の目から涙が吹き出しているところだった。
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