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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第38章 【トラブルドゥトラベリング】その4


「あ。」

たちまちのうちに美沙の頬が珊瑚色に染まる。

「あかん、癖になっとう。」

にひひと谷地が笑った。

「内緒にしとくね。」
「うぐ、頼むで。」

きまり悪くなった美沙はモゴモゴと言うのであった。


そして扮装出来た女子2人が施設から出てくる。
どちらも可愛らしい町娘風の着物姿、とことこと下駄で歩く様子に周囲の観光客もチラチラと見ていた。
谷地にしても美沙にしても華奢な為余計に娘らしさが出ていて人目を引いたのかもしれない。

「ままコちゃーん、マネちゃーん。」

出てきた2人はどういう訳だか先に稲荷崎の連中に迎えられた。
筆頭の宮侑は手を振りながら無駄に笑顔である。

「おおおおおおっ。」

しかも早速やかましい。

「2人共めっちゃ可愛いやんっ、特にままコちゃん見違えるで。」

谷地はワワワッと大慌て、美沙はほんまにと言わんばかりに首を傾げる。

「ままコちゃんには早速疑われとるぞ。」

宮治に言われて侑はなぬっと声を上げる。

「いやほんまやってままコちゃんっ、頼むから信じてぇなっ。」

主張するのは構わないが勝手に美沙の手を握るのはどうかと思われる。
もし義兄の力がこの場にいたら激怒して揉める事必至だし美沙がたまたま慣れない着物の方に気がいっていなかったらふぎゃああと叫んでこれまた大騒ぎだ。
しかし一方侑の必死さにフォローが必要と思ったのか他の連中も口々に言う。

「いやぁやっぱり化けるもんやなぁ。」
「銀は褒めるの下手くそかよ。いいんじゃないの、和風美人2人。」
「おう、似合っとる似合っとる。ちゅうか侑君が本気で褒めとるから大丈夫やって。」

美沙は困惑して隣にいた谷地をちらっと見る。谷地はにっこり笑って頷く。
もう一度稲荷崎勢を見ると治以外がうんうんと頷いている。
そこへ若干遅れて烏野勢がやってきた。

「うおおおおーっ。」

先に声を上げたのは日向である。

「2人ともすっげぇっ、めっちゃ時代劇っ。」
「うん、凄く似合ってる。綺麗だなぁ。」

山口もにっこり笑ってしかし後ろにいた影山を見ておやという顔をする。

「影山、どうしたの。」

影山は一言も発せずにポカーンとしていた。
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