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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第35章 【トラブルドゥトラベリング】その1


一見ささやかだしさらりと繰り出されているが谷地、日向、影山、山口は小刻みに震えていた。先輩の笑顔は俗にいう黒い笑顔だった上に目が笑っていない。
迂闊にそんなん無茶ですとでも言おうものなら命の危機である。
普段の縁下力なら何の問題もないのだが美沙が絡む時は危険すぎる。
しかし

「無茶言わないでください。」

月島が楯突いたので残りの1年はギャーッと総毛立った。

「ちょっとツッキーっ。」
「だってそうでしょ。物理的に無理ですよ、ままコさんと僕らがずっと行動できるかどうかわかりませんしあの変なの引き寄せる謎体質は僕らに制御できるもんでもなし最低限注意を払うくらいはしますケドその前に人見知りのままコさんが限界突破して開き直った時の振る舞いを注意した方が早いのでは天下のウシワカに向かって天然呼ばわりしたり伊達工の主将を火薬庫呼ばわりして喧嘩するとか有り得ないデショ。なまじ語彙がある分日向よりややこしい。」

長文且つ高速で反論してきた月島に力は一旦考えた。どさくさに紛れて引き合いに出された日向が何で俺を混ぜるとカッカしているがそれは放置だ。

「じゃあせめてさ」

少し考えてから力は言った。

「宿泊先での対応は何とかならないかな。特に谷地さん、美沙と一緒の部屋なら男子が遊びに来ても絶対入れないように。」

日向達と一緒にガクガクブルブルしていた谷地はえええと飛び上がる。

「ひひ日向達もですか。」

震えながら尋ねる谷地、仮にも縁下力が彼女を震えさせていいのかどうか激しく疑問であるがなってしまっているものは仕方がない。

「流石に日向達はいいよ。」

力はあっさりと答えた。

「普段絡まないのがウロウロさえしなきゃ。」

谷地はハアアアと大きく息をつき、次の瞬間には了解しましたっと何故か敬礼をした。

「まったく、面倒なんだから。」
「こればっかは美沙さんに同情しちゃうよね、ツッキー。」
「兄貴ってあんなもんなのか。」
「ぜってぇ違う。少なくとも俺は夏にあそこまでしない。」

1年生陣には強く生きてもらいたいところである。
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