• テキストサイズ

【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第33章 【強引g his way】その4


成田が素早く突っ込むと力はそこまで言うかと不満そうな目をするが勿論義妹が絡む事に限って自分に同調してくれるものはいない。
木下と田中はうんうんと思い切り頷いているし西谷が笑顔のままなのはいつも通り何も考えてないと思われる。
東峰、山口、谷地は苦笑して力を見つめており菅原は密かにクスクス笑っている。
澤村は爽やかな笑顔であるが何か悟ってしまったかのような様子で月島は僕関係ありませんと言いたげな雰囲気、清水は特に表情の変化がなかったが成田の意見に反対する様子はなし、
日向は縁下さんすげぇと言いたげにじーっと凝視して影山がポカーンとしているのはバレー以外のこういう事態についてこれていないからだろう。

「ともかく」

ここで烏養がゴホンと咳払いをした。

「よくわかんねえ事が起きたがこっちも行くぞ。」

烏野勢は美沙も含めてはいと返事をして歩き出すのだった。


烏養としてはこれ以上妙な事が起きるとは思っていなかったし起きないでほしいというのが本音だっただろう。だがしかし月島が言ったように謎の引き寄せ体質を持つようになった縁下美沙を連れていると妙な事は避けられない。

青葉城西と別れて体育館のある敷地をまたぞろぞろと歩いていた時である。
烏野一行は大人達も含めて一瞬ピキーンと張り詰めた。

「白鳥沢。」

烏養が呟き、滝ノ上と嶋田はゴクリと喉を鳴らす。田中冴子はぬ、と呟いて向こうをねめつける。

遠くの方なのにわりとわかりやすいでかい野郎共の集団、県内高校バレーボールの王者、白鳥沢学園高校の連中、先頭を切って歩くのは言うまでもなく怪童と名高い牛島若利だ。
本当にこちらからまだ距離はあるのに何という威圧感か。

大人達の間で緊張感が走る中、排球部の連中はというと勿論大方は同じように緊張していた。
しかしもう少し中の方ではやはり縁下力がゴソゴソしている。義妹の美沙をまた中の方に押し込んでいたのだ。
それを見ていた月島が無駄デショ縁下さんと言う。

「向こうはこっちよりデカブツ揃いです、上からすぐままコさんのこと見つけるのでは。」

対する力はそれはそうなんだけどと返した。
/ 702ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp