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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第32章 【強引g his way】その3


そんな騒ぎを経て烏野一行は伊達工とは別れる事となる。二口は縁下美沙からの一撃が文字通り重かった為か別れ際は決まり悪そうに美沙とあまり目を合わせなかった。
そのかわり

「じゃーな。」

と一言、いつもならついている"半分ボケ"がなかったという。


さてそうしてしばらく歩き烏野一行は広い玄関ホールへ出たのだが

「げ。」

義兄と一緒に歩いていた美沙は左斜め前方に嫌な予感を覚えて義兄の後ろに隠れた。
力も気づいていて咎める事もなく逆にもうちょいこっちに来なと義妹を列の真ん中の方に寄せる。
なるべく紛れるようにという配慮だ。
更に察したのか菅原が東峰と月島の服を引っ張って美沙の両側に壁を作るように配置する。

一体何かと言えば前方から今度は青葉城西の男子バレーボール部一行が来ていたのである。
何度も語られているとおり青葉城西の主将の及川徹は縁下美沙を大変気に入っている。メッセージアプリのIDを交換し動画サイトでもハンドルネームままコをブックマーク、挙げ句にオフラインで見かければすぐ抱きつくという所業―通称セクハラ―を働く。
基本は義兄以外に触れられるのを嫌がる美沙は及川に抱きつかれると叫んで騒ぎになるし、義兄の力は溺愛ぶりを発揮して及川に特攻しようとする為木下と成田が出動する事態になる。
既に伊達工とやらかしているのでここは面倒を避けたいところだ。

「すみません、菅原さん。旭さんも月島も。」

こそっと言う力に菅原はニッと笑う。

「青城来ると大体大騒ぎになるかんなぁ。」
「よく知ってるけどさ」

ため息をつくのは東峰である。

「俺と月島で防御になるとは思えないんだけど。」
「このヒゲチョコ。」
「僕も東峰さんに賛成ですね。」

ブーブー言う菅原に対し月島が静かに言った。

「及川さんのままコさんへの執着は異常です。大人もいて僕らがこうやって固めてても即刻嗅ぎつけるのでは。」
「月島やめてくれ、美沙が怯えてる。」
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