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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第31章 【強引g his way】その2


「美沙さんコスプレしたのか。就活中だったから烏野の文化祭いけなかったんだよな。」

言う茂庭に滑津がにんまりしてゴソゴソとスマートフォンを取り出す。
一連の話が聞こえていた縁下美沙は恥ずかしいと顔をそむけているが滑津は構わず写真を呼び出して茂庭に見せた。

「ね、可愛いでしょ。」
「へー。」

茂庭が目を丸くし、興味をそそられた鎌先と笹谷も横から覗き込む。

「ほー、似合ってんじゃねぇか。」
「すげえなここまで化けるか。」
「美沙さん、綺麗だよ。」

ふいに微笑む茂庭に褒められた美沙は驚いてビョインと軽く飛んだ。

「べべべつに私。」
「美沙、落ち着いて。」
「あ、ありがとうございます、茂庭さん。」
「で、二口はこの時も美沙さんと喧嘩したんだな。」
「結局俺になるんスかっ。」
「お前のことだから素直に褒めずに何かひねくれた事言ったろ。」
「別に褒める要素なんかないっすっ。」
「まぁ二口さんに褒められても何かの間違いとしか思えへんけど。」
「んだとーっ。」

自分の憎まれ口が発端なのを棚に上げて二口はグリンッと美沙の義兄である力の方を向く。

「お前よくこんなの妹にしたもんだな。」
「俺が妹にしたんじゃないよ、美沙が選んだんだ。」

力は微笑んで応対し、ね美沙と二口に再びガルルルと威嚇している義妹に優しく振った。
話を振られた美沙は途端に落ち着いてまっすぐ二口を見つめる。

「え、選んだって何だよ。」

一方急な美沙の変化に二口は若干動揺した姿を見せつつ尋ねる。

「引き取るって話振ってもらって、自分で決めて自分で縁下さんちの子になるって選んだ。」
「ほーご立派なこって。」

動揺しながらも憎まれ口は忘れない二口に美沙は静かに言った。
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