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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第30章 【強引g his way】その1


実際の所は美沙の言うとおりでもあり力の言うとおりでもある。
まずは少し前の放課後、男子排球部の練習が終わって烏養から休日に試合を見に行くという話が上がった時2年西谷夕の発言をきっかけに力が自らを抑えきれなかったのである。
そしてここが一番問題なのだがコーチの烏養は折れて了承してしまった。
常日頃縁下妹こと美沙の話題になるとわあわあぎゃあぎゃあ大騒ぎする部員達にいい加減にしろと怒っているにも関わらずだ。

「あのでっけー体育館かあ。力、美沙迷子になんねーようにしろよ。」

烏養から説明を聞き終わった後のこと、西谷は早速力にそう言った。力は流れでわかってるよと言いかけたがふと気づく。

「西谷、美沙はうちの部員じゃないから。何遍言ったらわかるんだ。」
「細けえこたいいんだよ。」
「細かくない、そこは流せない、忘れがちだけどあいつはパソコン部。」

しかし西谷はでもよーと反論した。

「結局何だかんだあいつ来るじゃん。」

ここで確かにと田中が口を挟む。

「兄貴が忘れ物したら追っかけて来ちまうし場合によっちゃ縁下妹連れてこいって他校からリクエスト来るしな。」
「今回は他所から呼ばれてる訳じゃない。そもいい加減烏養さんも許さないと思うし。」
「だな。」

しかし力と田中が話しているこの間に西谷は烏養のところへすっ飛んでいっていた。

「コーチっ、美沙の迷子対策はどーするんすかっ。」
「馬鹿っ西谷っ。」

力が言うも間に合わない。そして勿論毎度縁下妹が引き寄せたり引き起こしたりする事に悩まされている烏養が冷静に対応出来る訳がなかった。

「ばっかやろうっ。」

案の定第二体育館に烏養の声が響き渡る。本気で怒っておらず言うなればノリ突っ込み的な雰囲気だがそれでも興奮はしているのは間違いない。

「当たり前のよーに縁下妹来る前提で話す奴があっかっ、あいつはパソコン部だろーが特殊な要請がねえ限り連れていかねーっつのっ。」
「その特殊な要請が何度もあった訳ですが。」

1年月島蛍がぼそりと突っ込み烏養は咳払いをする。

「とにかく今までのパターンは異常だ異常。もーこれ以上例外は認めねーぞ大体兄貴の縁下が聞いてくるならともかくお前がきーてどうする。」
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