• テキストサイズ

【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第25章 【パニック at the 文化祭 後編 その1】


ところがこの直後にややこしい事が一気に起こったのである。
まずは1-4、1-5合同のコスプレ喫茶開催場所の前で一部女子の悲鳴が上がった。よくよく聞いてみたらちょ、あれ、青城の及川さんだ、嘘マジ本物っ、キャーヤバイどうしようなどと言っている。
書くまでもないが念の為書いておくと青葉城西高校男子バレーボール部の連中が訪れたのである。
そしてなまじ顔が広くて女子人気のある及川徹はきっちり悪目立ちした上に騒ぐファンの女子連中に笑顔でサービスしているときていた。
丁度成田と木下に押されてコスプレ喫茶を出た力ももちろん目撃して急激に顔から表情がなくなる。

「まさかあの人美沙目当てに来たんじゃあ。」

呟く力に木下が慌てた。

「落ち着け縁下っ、きっとたまたまだって。あの人こーゆーの面白がりそうじゃんっ。」
「俺もそう思う、美沙さんが自ら及川さんに言うとは思えないし。」

そこへ丁度影山がやってきた。ちょうど休憩の時間だったらしい。

「うっす。」
「やあ影山、休憩かい。」

声をかける力に影山はそうっすと答え、でもと木下が口を挟む。

「また何でわざわざこっち来たんだ。」
「影山はコスプレ喫茶とかこなさそうなのにな。」

成田が笑った所で影山の顔がうっすら青くなる。

「及川さんが来てる。」
「ついさっき来たみたいだけどどうしたんだ。」

力が尋ねるもいや別にと口籠る影山、おかしいなと力が思っている間にコスプレ喫茶内では事が進行していた。


なおも接客に励む縁下美沙、注文の品を目的のテーブル―机をとりあえず合わせたものとも言う―に運んだ所でまたも新しく客が来たので即座に頑張って笑顔を作り挨拶をする。

「いらっしゃいませー。」

が、内心叫びたい心境だった。

「ヤッホー、美沙ちゃんっ。」

無駄ににこやかに手を振ってくるのはもちろん及川徹その人である。客で来ていた女子連中が注目するが及川は全く気にしている様子がない。

「は、はて。」

美沙は美沙でとぼけた所で古めかしい上に関西弁の抑揚ではどうしようもない。
/ 702ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp