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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第23章 【パニック at the文化祭】前編


「似合うからこそまた新たな色物に好かれるかもしれないだろ、文化祭は他校も来るし。」

成田と木下は一瞬口を噤(つぐ)んだ、が程なくまた口を開いた。

「やべえ。」

成田が呟く。

「重度の病気がいるぞ。」

木下が続く為力はムッとする。

「お前らうちの美沙の状況を知らない訳じゃないだろ。」
「知ってるよ。」

ジロリと睨む力に木下はあっさりと答えた。

「青城の及川に追っかけられてるし伊達工の二口とはやり合うし音駒にゃ山本他狂信者がいるし天下のウシワカに向かって天然呼ばわりするし」
「美沙さんが言うと特大ブーメランだけどな。」
「挙句関西にまでファン層広がったし。」
「俺のせえじゃないっす、木下さんっ。」
「まあそういう訳だからどうせ美沙さんにコアなファンつくの止めらんないしこないだ接客のバイトもちゃんと頑張ってたし足掻くだけ無駄だって。」
「成田お前他人事(ひとごと)だと思って。」
「いやお前の持病出たら俺ら巻き込まれるから他人事じゃないけど。」
「持病まで言うか。」
「縁下よ、」

ここで田中がポンと力の肩を叩いた。

「生憎妹噛んだ時のおめーは俺から見ても病気だ。」

田中に言われてはたまったものではない、衝撃を受けた力はババッと見回して無言の助けを求めてみる。
が、同期の西谷夕はなんのことかわかっていない笑顔であり後輩の影山飛雄は首をかしげ日向翔陽は無表情だが何か言いたげな雰囲気、先輩はと言えば清水潔子はじーっと力を見つめており東峰旭は困ったように微笑み菅原孝支は口元に手をやって吹き出しそうなのをこらえていて主将の澤村大地は笑顔であるが縁下いい加減にしようなと言いたいのがまるわかりであった。

「大地さんまで。四面楚歌か。」

呟く力の制服の袖が誰かに引っ張られる。

「兄さん、恥ずかしいからもうええて。」

義妹の美沙が顔を真っ赤にしてうつむいていた。


続く
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