• テキストサイズ

【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第23章 【パニック at the文化祭】前編


「良かったああああ。」

その中で谷地が思い切り息を吐いてホッとした声をだしていた。

「コスプレ免(まぬが)れたよぉ、息詰まっちゃうかと思った。」

ここで谷地は傍らにいる美沙に美沙さんはと尋ねた。しかし縁下美沙は返事をしない。

「美沙さん。」

基本的に人を無視しない友人に聞こえていないのかと思って谷地はもう一度声をかける。すると美沙はギギギと音がしそうな首の動かし方をして谷地に目を向けた。

「どうしたの、顔色悪いよ。」

言う谷地に美沙は机に突っ伏して開いたくじの用紙を谷地に向けた。

「当たってしもうた。」

開かれた紙にはボールペンではっきりと「コスプレ接客」と書かれていた。


この時点でまずちょいと騒ぎになった。文化委員が集計の為に「コスプレ接客」を引いたものを挙手させるとその中にあの縁下美沙が含まれていた為両クラスともざわざわとしたのである。同じ5組の連中からすれば半端な時期に編入してきた挙句2年4組に義妹を溺愛する義兄がいて何かと男子排球部関係で妙な事案をクラスに呼び込む縁下がコスプレという所に驚きがあるし4組の多くは校内で唯一スマホケースを常備して行動する5組の関西弁―慣れている相手限定だが―がコスプレするのかという驚きがある。

「わっちゃぁ、美沙さん当たっちゃったんだ。」

またも教室がざわざわする中で山口がコソコソと呟く。

「へー、あのままコさんがねぇ。」

妙にねちっこく聞こえる口調で月島も言う。美沙を動画投稿に使っているハンドルネームで呼ぶのはもはや定番だ。ここで山口はツッキーと親友に言った。

「いいの止めなくて。」
「何でさ。」
「だって美沙さんだよ。」
「ままコさんだろうが誰だろうがくじ引いて決まったもんに僕が口出してどうこうするわけにいかないデショ。まぁ大丈夫なんじゃないの、確かにままコさんは人見知りの半分ボケだけど期間限定とは言えこないだまでバイトで店番やってたんだし。」
「いやそれより縁下さんが聞いたら何て言うかな。」
「文句言いまくるだろうけど僕らのせいじゃなし、流石にそこまで気を回してらんない。」
/ 702ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp