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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第22章 【大人になってもご用心】


「お兄ちゃんが抱っこしてくれへんからやん、せやから私及川しゃんに抱っこするもん。」

舌ったらずの甘えた声でやはり美沙は及川にしがみついて離れない。

「もー美沙ちゃんたらしょうがないんだから。よしよし可哀想に、薄情なお兄ちゃんの代わりに及川さんが可愛がってあげるねー。」

デレデレになった及川は後に岩泉と力が言うところによると今世紀最大のウザさだったという。ともかくも義妹は及川にスリスリしていて離れる様子がなく及川はデレデレしまくっている。その場にいた多くは困惑するしかない。

「なあ、結局のとこままコの奴どした。」

花巻が尋ねると東峰が答える。

「菓子ん中に酒入りのケーキ混ざってたみたいでさ、それ食って酔っ払ったらしい。」
「マジかよ酒弱っ。」

ぶはははっと花巻は涙目で笑うが東峰は笑い事じゃないってと焦る。

「ヤバイそろそろ大地がガチギレする。」
「こっちゃ岩泉の血管切れそーだな。おい松川どーするよ。」
「及川は当分離すつもりないだろうから先に岩泉を回収しよう。」
「回収ってそんな岩泉さんを粗大ゴミみたいに。」
「物の例えだろ、いちいちガチで反応するなよ金田一。」
「まあ基本回収されるのって及川さん担当だしな。」
「いいのか矢巾そんなこと言って。」
「渡だって否定できねーだろ。」
「まあ確かに。」
「ケッ。」

その間にも縁下力は早く離れなさいと叫びながら及川の腕の中にいる義妹を引っ張っているし岩泉はいつまでやってんだ早く離してやれこのやろと及川に怒鳴っている。

「成田、これ俺ら行かなくていいんかな。」

烏野側では木下がこめかみに汗を浮かべて呟いていた。

「美沙さんが縁下の言うことすら聞かない状態だからなぁ、今は出る幕なさそげ。」
「てか何だって酒入りケーキ。」
「俺も気になるけど全然わかんねぇな。」
「あ、縁下が美沙さん引っ張るの諦めた。」

木下が言った所で実際力は義妹を引っ張るのを一旦やめていた。こりゃ駄目だと判断したのである。衆人環視に近い状況でこれを言うのは大変恥ずかしかったが仕方がない。

「分かったから」

力は羞恥を我慢しようと努力しながら言った。
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