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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第19章 【初めてのアルバイト】中編


一方こちらは練習中の烏野高校男子排球部である。

「縁下ー、そわそわしすぎー。」

菅原がニヤニヤしている。

「別にそんな事。」

力は反論するが菅原はいやモロばれだってと笑う。

「そうおっしゃいますけど心配で。」
「そっか、美沙ちゃんは今日が初バイトか。」

東峰が呟き木下と成田が苦笑している。

「何だよお前ら、微妙な顔して。」

気づいた力が2年仲間に尋ねるといやあと早速木下が言った。

「美沙さん大変だなって。」
「どーゆー意味だ。」
「親ならともかくバイトすんのに兄貴が一番難関ってのもそうそうないだろ。」

成田も穏やかな口調に反して容赦ない。

「美沙の事知ってる癖によくそこまで言ってくれるな。」
「結局お前の心配はどっちがメインなんだ、美沙さんの人見知りかそれとも何か寄ってくる事か。」
「後者。」
「心配しすぎだと言いてえところだが」

田中まで話に参加しだした。

「縁下妹だからなぁ。」
「美沙は最近何気にモテるよなっ、女子っぽくねーのに何でだっ。」
「西谷は後で話がある。」
「はああっ。」

威圧されて騒ぐ西谷、とうとう澤村がほらほらお前らと手をパンパン叩く。

「いいから練習再開するぞ。それと縁下、」

澤村はここで力に目をやった。

「そんなに心配なら一緒に見に行くか。今日は早く終わる日だし。」

まさかの主将の提案に一瞬排球部の連中はシンとなった。

「なななな何言ってるんですか、大地さんっ。」

激しく動揺する力にしかし澤村は何もヘチマもと笑う。

「そのまんまだよ。」
「別に俺っ。」
「そんだけソワソワしてて説得力あります。」

月島までもが悪ノリ、山口と日向が頑張って笑いをこらえる始末だ。

「私も行きたいです、美沙さんが頑張ってるとこ気になります。」
「私も。」
「お、俺も。」
「影山君は寂しがりですか。」
「日向ぶっとばすっ。」

結局力の抵抗虚しく排球部の連中が乗り込む話になったところで

「ゴルァお前らーっ、いつまで半分ボケの話してるーっ。」
「烏養君、半分ボケというのは流石にどうかと。」

ここまで我慢していたコーチと顧問には拍手せねばなるまい。
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