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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第18章 【初めてのアルバイト】前編


そして次の日である。

「ぬぁにいいいいいっ。」

烏野高校第二体育館に田中龍之介のやかましい声が響く。

「縁下妹がバイトだあああっ。」
「そうだよ、とりあえず田中五月蝿い。」

ジト目で突っ込む力に対し田中はだってよと続ける。

「縁下妹といや人見知り全開、外にゃろくに出ねえと来てるだろが。」
「ほっとけ、お前には言われたくないから。」
「事実じゃねえかよ。」

田中はブツブツ言うが力に無表情で見つめられてごまかし笑いをする。

「つかよく美沙さん受けたな。」

ここで木下久志が口を挟み成田一仁が確かにと頷いた。

「あの子の事だから断るかと思ってた。」
「それがどうも欲しいもんがあるらしくて。」
「何だ、また電気もんかっ。」
「西谷にまで言われるとか世も末だな。」
「んだとおっ。」
「それは置いといて何かは内緒つって言わないんだよな。最近ちょっと生意気になった気がする。」
「あの、美沙さんで生意気だったら他の人はどうにもならないかと。」

遠慮がち苦笑交じりでいう後輩の山口忠に力はうっと唸る。

「いや逆デショ、ままコさんは元から生意気だよ。」
「それ月島が美沙に意地悪言うからじゃね。」
「は、何言ってんの日向。僕は事実を言ってるだけ、何かにつけてままコさんが妙な事引き起こすんだからしかたないじゃん。青城の及川につけ狙われる、音駒に濃いファン増やす、白鳥沢のウシワカを人の事言えない癖に天然呼ばわり、何か知らないけど伊達工にも顔割れてる、東京行ったら行ったで木兎さん暴走させてカオスにする、挙げ句の果てに顔も知らない関西弁に気に入られるとか何なの。」
「ごめん月島、その辺にしてやってくれないか。」
「単にお前ままコに月島語って言われんのが嫌なだけじゃねえのか。」
「影山君それは言っちゃ駄目えええええっ。」
「ツッキー冷静に、冷静にねっ。」
「寧ろ山口うるさい。」

マネージャーの谷地仁花も慌てだして1年生達がカオスになりかけたところでつまりーと菅原孝支が口を開いた。

「縁下的には美沙ちゃんがバイトすんのは気に食わないんだな。」
「気に食わないってそんな。」
「だってめっちゃ機嫌悪いじゃん。」

菅原にからかい笑いをされて力は顔を赤くする。
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