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Sweet days [ハイキュー!!SS集]

第16章 仕草


「お帰りー。やけに早かったね!」



「あぁ、うん。木葉くんに焼きそばパン貰ったの。」



「そうなんだ。何だかんだ言っても彼優しいじゃん。」



「……そだね。」

あれから私は木葉くんの事で頭が一杯になり
友達と何の話をしていたのかすら覚えてなかった。



翌日私はいつもより早く起きてお弁当作りに取りかかる。

そう、木葉くんにお弁当を作ってあげようと思ったから。


竜田揚げは夕べから仕込み済みで
後は片栗粉をまぶして揚げるだけ。


お弁当を作っている途中で私は重大な事に気付いてしまった。


お箸を用意したらあの仕草は見れないんじゃないのかと。


木葉くんのあの仕草が見たい為にお弁当を作っている私って本当に変態なのかもしれない。


お箸無くても食べれるようにと急遽ご飯を
おにぎりにしておかずの数を減らした。



なんだろう、このお弁当は。


おかずは鶏の竜田揚げと玉子焼き
そして彩りに飾ったミニトマトのみ。


とてもじゃないけど女子のお弁当じゃない。


でもせっかく作ったんだし持っていこう。


私はお弁当を鞄に詰め込み学校に向かった。



お昼休み。

私は木葉くんを呼び出していた。

「お弁当作ったんだ。木葉くん一緒にどうかな?」



「マジで!?サンキュー!教室では食べづらいよね?良い場所知ってるからそこ行こう!」



私は木葉くんの言葉に頷き彼の後を付いて行った。


木葉くんが向かった先は男子バレー部の部室だった。


無関係の私が入っても良かったのだろうか。



「いやー、香坂ちゃんがお弁当作ってくれるとは思わなかったよ!」



「時間なくておかず作れなかったんだけどね」



「竜田揚げがあるだけで充分だって!
……あれお箸は?」



「あ……お箸忘れちゃって。これ使って?」

私は携帯用のウェットティッシュを木葉くんに渡した。


これで木葉くんのあの仕草が見れる。
そう思っていた。

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