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Sweet days [ハイキュー!!SS集]

第13章 似た者同士


あれから1ヶ月過ぎた。


あの件以降アイツには会わなかった。

俺が極力会わないようにと避けていたのが
原因なのかも知れないけど。


休日、夕方前にジョギングをする。
近くの公園を通ると見たことのある女の子がベンチに座っていた。

名前は知らないけど毎日のように男子バレー部を見に来ていた女の子。
一際背が高い女の子だったから覚えてた。
最近は全く見なかったけど。


「あの、音駒の生徒だよね?」

俺は名前も知らない女の子に声をかけていた。


「わわっ!夜久さん!?お疲れ様です!」

彼女は立ち上がり俺にペコリと頭を下げた。

……やっぱり彼女のほうが背が高い。


俺はベンチに彼女も座らせた。

「別に畏まらなくていいって!
最近部活見に来てないじゃん、前はしょっちゅう来てたのに。」


「えっ…あぁ……私失恋しちゃったんです。だからもう見に行けなくて…」



「しつれん?」

俺はこの言葉が胸にチクリと刺さった。



「……私灰羽くんが好きで見に来てました……思いきって告白したら彼女居るからごめんって言われて……」


……彼女が振られたのは俺の責任だ。


「ごめん!……リエーフに彼女出来たの俺のせいなんだ。」



「えっ?何で夜久さんが?」


俺は彼女に申し訳なくなってしまった。

リエーフとアイツの事
俺がアイツの事が好きだった事。


「……俺って本当馬鹿なんだと思う。」

彼女に全て話した俺は情けなくて正直泣きそうになっていた。

でも泣けなかった。
彼女が泣いていたから。


「…………夜久さんのほうが……辛い思いしてたんですね……」

ポロポロと涙を流しながら話す彼女。



「泣かせるつもりはなかった……ごめん。
俺、キミに迷惑ばかりかけてるね。」

俺は持っていたタオルで彼女の涙を拭ってあげた。





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