第12章 さかな・魚・サカナ
昼飯を食べ終わり近くの俺ん家に向かった。
部屋でも魚は何がウマイか議論し合う。
果たして理緒はサカナしか興味がないのだろうか?
「あー、美味しかった!塩焼きはやっぱりサバが一番だ!」
「いや、サンマだろ?」
「サンマも美味しいけど私的にはサバなの!」
「へーへーわかったよ。」
「フライはやっぱりアジかな。」
「あー、それはわかる。」
「天ぷらはねー絶対キス!」
「俺は穴子。」
「はぁ?サカナの天ぷら言えばとキスでしょ?」
「俺は穴子が好きなの!」
「えー、キスが一番美味しいのに。」
俺の好きな天ぷらに不服そうにする理緒。
キスキス煩い理緒に意地悪したくなった俺は隣にいる彼女にこう耳打ちした。
「……なぁ、そんなにキスってウマいんだ?」
理緒はすぐに頬を赤くした。
「キ、キスって魚のキ――」
振り向いた彼女に俺は唇を重ねた。
「何でキスしたの!」
唇を離した瞬間放たれた言葉がこれだった。
「キスキス煩いからして欲しいのかと思ったんだよ!俺とキス出来て喜べよー。」
「ばっ、バカなんじゃない!喜ぶわけないでしょ!」
耳まで赤くしてる理緒を見て満更でもないなと確信する。
俺はそんな彼女に逃げないように押し倒して組み敷いた。
「魚のキスは魚偏に喜ぶと書いて¨鱚¨。
喜んでくれるまでキス止めねぇから。」
暴れる理緒を無視して俺は理緒に何度角度を変えてキスをする。
抵抗しなくなったら畳み掛けるように
彼女の口内を犯す。
すぐに彼女が俺の背中に手を回してきた。
これこそ理緒が俺に落ちた合図だ。
唇を離してやると
涙目になりながら呼吸を整える彼女。
「理緒、俺と付き合ってよ。」
「……順番考えなさい!!」
¨バッチーン¨
俺は理緒の平手打ちを頬に喰らってしまった。
「痛い……理緒ちゃん酷い……」
「当然の結果です!
…………浮気したら許さないからね!」
そう言って意地悪く笑う理緒。
彼女がさかな以外にハマる物。
それはこの俺だ。